『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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2020.2 婚礼筥迫レポート『狐の嫁入り』A.Sさんの作品
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    今回はA.Sさんから届いた筥迫制作レポートをご紹介させていただきます。

    正面以外の画像は顔出しOKいただきました。

    「普段と違いすぎるので誰も気付かないと思われるので」

    とのことです(笑)。

     


     

     

    昨年の春に入籍したのですが、初めから結婚式をするつもりはなく、周りの方へご報告するのみでした。


    しかし、友人たちから「写真は撮ったほうが良い!」との助言が。

     

    さらに着付け師をしている友人が、振袖を花嫁のように着付けられると言ってくれたのです。

     

    そんなこんなで始まった手作り和装フォトウエディング計画。

     


    成人式後に箪笥の肥やしとなっていた振袖と帯を引っ張り出して、これで着物は大丈夫!と思っていたら、何やら聞き慣れない単語が出てきました。

    「あとはハコセコとかが必要ですね」


    「何ですか、それ?パコパコ?」

     

    というレベルの知識…それが筥迫との初めての出会いでした。


    そして、購入を検討している中で辿り着いた筥迫工房。

    ブログの記事は熱く濃く面白く、皆さんのレポートも素敵で、作ってみよう!と決心。

    せっかくなら一回練習して構造を理解してから本番をと、教本と材料セットなどをお願いした後に布選びへ。


    実は一番の難問はここでした。

    元々結婚式をする気がないのですから、こーしたいというイメージもないのです。


    振袖が赤なので、房の色は白だと思ったのですが、布で悩む悩む。
    やっとコレだ!と決めかけていたら
    「ん?ブログに金襴は難しいと書いてある………」
    そう、良いなぁと思った布は金襴だったのです。

     


    そこで、練習用綿プリントで一つ目を作りつつ、再び探して見付けたのが白地に金の連続模様の生地。

    華やかさもあり、抱え帯と丸ぐけも作れそうだと注文しつつ、諦めきれない金襴(薄め)も購入して、自ら手間を増やしたのでした。

     

    作業自体は、まとまった時間がなかなか取れないので、出来そうな作業を少しずつ進める日々。
    筥迫と懐剣は二つ作るので房も二色に。

    良い色だなぁと思っていた金茶を選びました。

     

     

    せっかくなので紐の結び方も変えて、筥迫用は菊結びと蝶々結び、懐剣用も菊結びと鱗結びとしました。
    巾着も、基本の二重叶結びとベロ付をしたのですが、思いがけずベロ付で苦戦…。

    筥迫は、綿・平面仕立て、金襴花立涌文・綿入れ仕立て、縮緬花菱亀甲文・綿入れ玉縁仕立てと三種類の仕立てとなり、それぞれの特徴が出たかと思っています。

     



    最後に抱え帯、丸ぐけと、せっせとお針仕事です。

    工作は好きなのですが裁縫はあんまりな私。

    実は途中まで、間に合わなさそうだったら購入をと考えていたのです。
     

    撮影日の数日前には全て作り終え、ほっとしました。

    そして、やはり婚礼五点セットが揃うと良いものだなぁと思いました!
    約二ヶ月での完成です。

    おまけは、友人に教えてもらいながら作ったつまみ簪。

     

    見本にフリンジが付いていたのを見てピンときた。

    ここにも房が使える!と白と金茶の二つを付けました。
    ちょうど青い生地で作れたのでサムシングブルーになり、祖母の帯、新しい筥迫、借りたもの沢山(笑)と、サムシングフォーも揃ったのでした。

     

    このつまみ簪は、帯の後ろに。

     

    筥迫、懐剣も途中で付け替えて。
    清々しい白い房、髪飾りの紅白も相まって赤・白・金でまとまった縮緬。


    金茶の房が映えて簪の色との相性もよく、緑の小物が良いアクセントの金襴。
    どちらも違った華やかさがあり良いなぁと自画自賛(笑)

     

     

    製作と平行して、撮影の段取りです。

    髪はどーしよう…この際、日本髪?
    一回体験してみたかったのもあり探し始めるも、まず日本髪を結えるお店が見つからない…しかも婚礼用だと尚更です。


    しかし、ここで奇跡が!
    ねばり強く調べていたら近場で発見!
    文金高島田を地毛結いしてもらえることになりました。


    さらに、友人が紹介してくれて、素敵な場所を撮影でお借りできることになったのです。

     


    当日は、朝一番に髪結いさんのところへ。

    手早く結ってくださる間にも、新日本髪との違いや道具のことなど色々と教えて頂き、一生に一度の体験ができました。


    自宅では、すでにパートナーの着付けが終わって和やかな雰囲気。

    今回、着付けから写真を撮ってもらえたのも良い思い出でした。

     


    写真を撮ってくれた友人のイメージは「狐の嫁入り」。
    なんと狐のお面などの撮影小道具を作ってくれていたのです!

    ポーズを指示してもらいつつ沢山撮ってもらいました(笑)

     

     

    「振袖の出番がまたあって良かった〜」と喜ぶ母。

    祖母の形見の帯を再び結べたのも嬉しいことでした。


    多才な友人たちのおかげで夢のようなフォトウエディングができて感謝です!
     


    おまけは、簪を返しに髪結いさんのところに伺ったら、普段用のものに付け替えてくださったこと。
    夜は着替えて、ちょいと出掛けました。

    せっかくなので筥迫を付けて。

     

     

    準備期間から、当日も一日ずっと隣で気遣ってくれたパートナーに感謝を。

    ですが、振り返ると花婿のシングルカットが無いのです。

    皆、花嫁姿に夢中で忘れていたのでした…。

     

    簪入れを元にして菓子切り入れが出来そうだなぁとか、飾り結びでストラップを作ろうかなど思っていますが、いつになるやら。


    筥迫を知らない私でしたが、ブログに触れ、図解入りで分かりやすい教本と充実の材料に助けられ、おかげさまで「手作り和装フォトウエディング計画」を無事に終えられました。

    お世話になり有難うございました!

     

     

     


     

     

    講習会や教室で筥迫を習っている人が作ったものではなく、ショップで教本を購入した方がたった一人で奮闘して筥迫を含む婚礼用の和装小物一式を作られるというのは、いくら私が筥迫の作り方を販売しているとはいえ、本当に「すごい!」と感心してしまいます。

     

    A.Sさんとは途中途中でちょこちょことメールを交わしていましたが、こんなに本格的なセットを作っているなどとは思いもよらず、、、(汗)。


    教本を購入されている方とメールでやりとりする際、筥迫本体を作り上げた後に残りの付属品の「飾り房」で挫折しそうな場合は「出来合いの撚り房」があるのでそれを使ってくださいと言っていますが、最後まで作り上げましたねぇ。それもフルセットで!

     

    筥迫も懐剣も和装小物もと初めから構えてしまうと、筥迫の後の房作りでめげてしまう人が多いので、とにかく始めの目標は「筥迫本体」をゴールにすること。

     

    それが出来たら次は筥迫房→懐剣袋→懐剣房と少しずつゴールを伸ばしましょうと言っています。

    筥迫&懐剣さえできればテンションは相当上がりますので、丸ぐけ、抱え帯はそのノリで作れてしまうものです。

     

    「金襴」は確かに扱いが難しいのですが、薄く柔らかめの物を選べばそれほど難度なくできます。

    薄糊が効かない場合は初めから堅糊を使います。

     

    本格的な日本髪に撮影場所も雰囲気満載でレトロな絵のようでした。

    お着替えした姿もまた素敵でうっとり。

     

    「成人式の振袖を婚礼衣装に使う」というのは、振袖を誂えた親御さんの思いがたくさん詰まっている上に、そこに自作の筥迫を付けて花嫁姿に仕立てるのですから、何と特別なエネルギーを発することでしょう。

     

    このフォトウェディングが単なるコスプレに見えないのは、この思いの詰まった準備期間があるからなのでしょう。

    この撮影日に向けたA.Sさんや協力されたご友人たちの綿密な準備が、お式も披露宴もない日常である「ケの日」を、非日常である「ハレの日」に変えたのではないかと思われます。


    髪は地毛結いの文金高島田とのことですが、お住まいの土地柄、舞妓体験のお店があるそうで、新日本髪ではなく昔ながらの日本髪が可能だったようです。

    撮影場所も「お寺」をご友人が紹介してくれたそうです。


    A.Sさんは以前、伝統工芸の「漆塗り」を学んでいたそうで、現在のお仕事は「和食の料理人」をされているのだとか。

     

    「まとまった時間がなかなか取れないので、出来そうな作業を少しずつ進める日々。」

    お仕事柄さもありなんですが、私はそれが成功の秘訣だったと思っています。

    一気に作りたがる人が多いですが、少しずつ進めた方が落ち着いて失敗する率も低いのではないかと思います。


    とても「結婚式をやる気がなかった」人の結婚写真とは思えませんが、芸達者なご友人含め、創作的な環境にいらっしゃるからの結果なのでしょう。

     

    筥迫レポートは人気のシリーズなので、講習会や教室でもよく話題にあがります。

    色々な環境にいる人たちが、それぞれの思いを込めて、物を作ることにエネルギーを費やす。

    そんなマニアックなレポートは見ていて楽しいですし、そこに映し出される美しい画像からは自分も頑張らなくちゃ!と不思議なエネルギーをもらえるからでしょうね。


    A.Sさん、渾身のレポートをありがとうございました。

    そして、どうぞいつまでもお幸せに!

    (お仕事もがんばってください!)

     

     

     

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    【2020.02.16 Sunday 14:40】 author : Rom筥
    | 婚礼用筥迫 | comments(2) | - | - | - |
    この記事に関するコメント
    A.Sです。
    この度は、レポート掲載ありがとうございました!

    私自身、レポートを見て触発されましたので、載せて頂けて、また素敵な感想も下さり嬉しいです。

    渾身(笑)のレポートに、さらに補強いたします。
    実はサムシングボローとして、縮緬の筥迫には友人から借りたハンカチも懐紙の替わりに入れていたのです。小さくて薄いもの限定のお守り入れとなりました!

    感想を拝見していて、友人の「(この撮影は)私の中では結婚式だと思っているんです」という言葉を思い出しました。それぞれに準備してくれたエネルギーが集まって「ハレの日」になったんだなぁと改めて感じています。

    友人達に掲載をお知らせしたのですが、良いレポートだと喜んでくれました。
    これを見た別の友人からは、「結婚式より手間かかってる」とも(笑)
    筥迫という文化を学べた楽しい時間でした。ありがとうございました!
    | A.S | 2020/02/18 11:23 PM |
    なるほど&#12316;
    結婚式に筥迫を作るということは「文化を学ぶ」ことでもあるんですねぇ。
    確かに特別な結婚式なはずです。
    これからもどうぞ周りの方々に筥迫のこと伝えていってくださいね!
    | Rom筥 | 2020/02/19 2:53 PM |
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