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2018.7プレ講習会 『月見型紙入』
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    今年は11月、12月の講習会を中止にさせていただきましたが、代わりに『月見型紙入』を入れます。

    場所は通常の講習会と同じ単発講習で場所はお針子会です。

     

    11月4日(日)『月見型紙入』 申込開始:10/2

    12月2日(日)『月見型紙入』 申込開始:11/6

     

    この合間に「貼り込み教室」が入りますが、こちらの詳細はもう少し先にさせてください。

     

    その代わり、密かに行われていた月見型のプレ講習の作品アップさせていただきます。

    このようなものを作ります。

    萌えポイント満載で好評でした。

     

    実は8月中旬に腰を痛めしばし動けなかったため、その分の仕事に追われる毎日。

    ブログ休むか〜、いやブログ用の画像もたまっている〜。

    ということで今回はちょっと軽めに(これでも)。

     

     

    E.Tさんの作品(東京都在住)

     

     

    C.Mさんの作品(東京都在住)

     

     

    J.Yさんの作品(神奈川県在住)

     

     

     

    あちはさんの作品(神奈川県在住)

     

     

    H.Sさんの作品(神奈川県在住)

     

     

    K.Tさんの作品(神奈川県在住)

     

     

    Y.Mさんの作品(東京都在住)

     

    月見型の部分は差し込みで「鏡」が入っているのですが、模様が入っているのは鏡裏を見せているからです。

    「鏡に指紋が付くのがイヤ!」という受講者のアイデアです。

     

    色々な楽しみ方がありそうです。

     

    以前、この月見型を入門コースにする!と言っていましたが、作ってもらったところ意外に大変だったようで、全く初めての人にはちょっと難しいかもとのこと。

    いつも「この型は簡単!」と言ってしまうのが私の悪いクセで、、、。

     

    ということで、今回は「これまで講習会を受講したことのある方」を対象とさせていただきます。

    金封袱紗さえ出て入ればOKの初級ということで。

     

    この型は、貼り込みではない工程が入ります。

    やろうかな〜どうしようかな〜と思っていましたが、やりたい!と言われてので採用することにしました。

    さぁ何をやるのでしょう?

    (期待させるほどのものではないですが、、、)

     

    ご興味のある方がいらっしゃいましたら、是非ご参加ください。

     

     

     

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    【2018.09.04 Tuesday 19:54】 author : Rom筥
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    2018.8 プレ講習会『籠千代田お針箱』
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      8月の3回目は『籠千代田お針箱』でした。

      こちらは初めての講座だったので、どうなるかちょっと不安ということもあり、プレ講習会ということで受講者を募りました。

       

      今回の講座では、籠に巾着を取り付けるのに皆さん苦心していました。

      籠に使ったアタは網目が細かいので、針を通すのにコツがいります。

      そこさえわかればある程度はサクサクと進むのですが、それがわからないうちはかなりイライラします。

       

      縢襠付筥迫なら、どんなに遅くなっても縢り部分は全部やり遂げる!という人がほとんどなのですが、今回は早々にギブアップされていました(苦笑)。

      こういうものは焦るほどにうまくいかないもの。

      縢りはご自宅でゆっくり仕上げていただく方がいいかもしれません。

       

      ということで、巾着を完全に取り付けることができなかったので、目立たないように処理をして撮影しています。

      (縢っていないだけで巾着が外れるわけではない)

       

       

      A.Hさんの作品(福井県在住)

      針箱は二段構造で、上が針山、下に指貫を収めることができます。

      ハサミが取り出しにくいので「貝の根付」も作りました。

      ※画像のハサミのカバーは、別講習の「指貫と糸切ハサミ入 」で作ることができます。

       

       

      K.Fさんの作品(シンガポール在住)

      こちらは中作りを外に出して撮影(取り外し可能)。

      ちょっとフクレのあるシーチングのような布を使われたので針山がはまるか心配しましたが、何とか収納できた、、、。

      しかし、出来上がってみれば何ともおいしそうなケーキのようにも見えます(紐飾りがまるでイチゴのよう)。

       

       

      Y.Oさんの作品(山形県在住)

      この講座では、事前作業で巾着部分を縫ってこなければならないので、布選び方もそれぞれで判断しなければなりませんでした。

      布の薄さ、柔らかさ、張りなどが出来に関わってくるので、その場で布選びのアドバイスをしてあげられないのが難しいところです。

       

       

      E.Fさんの作品(山梨県在住)

      こちらはとてもかわいい出来上がりなのですが、柔らかく繊細な古裂をお使いだったので、ちょっと籠にするのはかわいそうという感じでした。

      懐中物の場合は使う方もかなり気を使って扱いますが、実際にお仕事をするための嚢物は働いてこそなので、あまり古い布にこだわらなくてもいいかもしれません。

      ちなみにこの巾着部分が劣化したとしても、取り外して籠を再利用することができます。

       

       

      N.Nさんの作品(東京都在住)

      貼り込みで作るものは一言でいって「手間がかかる」ですが、この型は更に「とんでもなく手間がかかる」といえましょう(笑)。

      以前、工作みたいで簡単と書いたような気がしますが、手間の掛かり具合は筥迫より上です。

      私自身、細かい作業が大好き♡という人間なので、こういうものを作るのが苦にならないため、つい「簡単」という言葉を使ってしまいます。

      しかし、それを人に作らせるとどんなに大変な型かを思い知ることになります。

      皆さん中作りの制作中は能面状態でした(よくこんな型作ってくれたなと思ったことでしょう。ははは、、、汗)。

       

       

      H.Sさんの作品(東京都在住)

      中に入れる手縫い糸は、カード巻きの40mなら15枚程度、80m巻なら12枚程度入れることができます。

      こちらは金亀なので80m巻かな?

      私が使ったのはオリヅルで40mと80mがあるようです。

      入れるなら同じブランドで揃えた方がかわいいです。

       

      お針箱ができると、きれいなグラデーションになるよう糸を出したり入れたり。

      糸さんのお部屋、指貫さんのお家、はさみさんはここに入っていて。

      女性の萌え心をくすぐる「道具ハウス」です。

       

       

      郁駒屋さんの作品(福岡県在住)

       

      プレ講習会では受講者の様子を見て、その後の作り方や型紙、教え方や手順を手直しします。

      実際にプレ講習後に大きく型が変わったりすることもあるのですが、今回はそのような変更はありませんでした。

      しかしながら、やはり課題は山盛りでした。

       

      いつもの緻密さを必要とするタイプの型ではないのですが、これを一日講習で仕上げようとするとかなりの超特急で作業しなければならないことから、ある程度貼り込みに慣れている人でないと作業は辛いかもしれません。

       

      しかし内容はあくまで「工作」なので、受講者のレベルを高く設定せざるを得ないのはひとえに「一日で仕上げる」というハードルがあるからです。

       

      このようなものは時間に縛られず、初めからついて教えればいいというのが結論です(つまり一日講習には適さない)。

       

       

       

      講習会(単発)と教室(常設)

       

      これまでは単発(一日)の講習会という手段でしか貼り込みを教えることができませんでしたが、近々「常設の教室」という形で別の教え方を試すことになります。

       

      始めは月2回の月曜日になると思います。

      これまでの講習会が週末と祝日しか行われなかったのは、平日はお針子会の和裁教室と刺繍教室で会場が埋まっているからです。

       

      単発の講習会は確実に一日で終わらせることができるよう、あらゆることを想定して綿密な準備をしています。

      しかし型は今後増える一方なので、最近の私自身の環境の変化を考えると、全て単発講習で行うことはあまりに負担が多い。

      そんなことから、常設で平日開催の教室の必要性は以前より感じていたことでした。

       

      受講者の皆様にとっても、一つの講座で年2回程度しか企画されないこれまでのやり方では、ご自分の予定と合わなかったり、都合がよくても予約が取れなかったりすると、次に受講できるのが一年先となり、歯がゆい思いをされていたことと思います。

       

      常設のお教室ではチケット制にするつもりなので、予約さえ取れれば次々に型は作れますし、時間を区切らないのでそれぞれが好きなだけ時間をかけて物を作ることができる環境になります。

       

      もちろんこれも一長一短です。

      講師一人に全員が違う型を作れば、基本的にマニュアルを見ながらの作業で、時々回ってくる講師に直接質問ができるという感じなので、全員で一斉に同じ型を作って一日で仕上げる講習会と同じには考えられない。

       

      しっかり予習復習が必要な講習会とマイペースに作業できる教室、都合が合わなければ次の講座を一年待つ講習会と、その日その時に次の人が終わるのを待つ教室。

      究極の選択ですね。

       

      お針子会の講習会が本科、常設の教室が副科というように別けることになりますが、本科は課題の実技を受けると、型によっては「通信」で受講する講座もでてきます。

      予約に振り回されないですし、遠方から参加の方にとっても良いのではないかと思います。

       

      お教室の方はまだしばらくは本始動に至らないとは思いますが、11月から小さな規模で一から始めてみたいと思います。

       

      場所は、

      都営地下鉄三田線「西巣鴨駅

      都電荒川線「西ケ原四丁目駅

      都営バス 池袋東口巣鴨経由浅草行き「西巣鴨停留所

      いずれも駅近の非常に利便性のよい場所にあります。

       

      詳しい内容はまだもう少し煮詰めてからお知らせいたします。

       

       

       

       

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      【2018.08.27 Monday 22:22】 author : Rom筥
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      2018.8講習会 『縢襠付筥迫』と『巾着と飾り房』
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        8月の講習会は「縢襠付筥迫」と二日続きで「巾着と飾り房」がありました。

        以前は縢襠付筥迫の講座単独で二日続きにしていましたが、現在ではこれらは切り離し、1日単位で申し込みができるようになりました。

         

        つまり、他の筥迫(本体)を受講した方が「巾着と飾り房」を受講したりするので、作品画像では縢襠や三段口の種々取り混ぜです。

        どうぞお楽しみください。

         

         

        N.Nさんの作品(東京都在住)

        講習会に参加される方々は基本的に年配の方が多いので、自分が身につけることを考えると、つい地味系に走ってしまいます。

        そんな中で筥迫は、自分は身につけないけど作ってみたい♡という気持ちで作られる人がほとんどなので、絵柄的に一気に華やかになりますね。

         

        このびら簪は、はぐれ猫さんが持参された田楽型をお借りして横挿しで使ってみました。

        縢襠付筥迫は「簪挿し」が付いているので上挿しするものですが、薄い筥迫などは横挿しで使います。

        筥迫に合わせて色々な挿し方をしてみると筥迫の表情が変わります。

        筥迫から飛び出すので派手な印象を与えます。

        実際に着用する際に田楽型を横刺しにするのは勇気が入りますが、作品展示には有効かと思います。

         

        こんな様相の筥迫を見ると、懐中嚢物界の第一礼装というイメージで本当に素敵です。

         

         

        Y.Mさんの作品(東京都在住)

        どちらも同じ縢襠付筥迫ですが、右の作品(オレンジ)は以前の講習会で作られたものだそうです。

        その頃は教本と同じ型紙、同じ作り方でした。

        左の中級の筥迫(水色)とはこのぐらいサイズが違います。

         

        刺繍裂で精密に柄合わせをしたいときは、できるだけ伸びない布を使います。

        日本刺繍の花嫁筥迫に「塩瀬」がよく使われるのは、そのような意味からだと思います。

        (反対に紙入れ系を塩瀬で作ると仕立てにくい、、、)

         

        今回の筥迫は古い縮緬で作られています。

        シボの細かい古く柔らかい縮緬は非常に伸びやすいので、布の扱いに慣れていない人には扱いづらいのでお勧めしません。

        「伸びる布だから伸ばさないように貼る」という当たり前のことが、作り方に必死になっている段階ではそれを一緒に考えながら作業することができないので、手順を覚えるまでは「薄くて伸びない布」をお勧めしています。

         

        たくさん作っている人はそれぞれの布の性質がわかっていますし、伸びる布は伸びないように手が作業します。

        伸びやすければ「どうにでも合わせられる」という利点にも転じます。

         

         

        R.Sさんの作品(東京都在住)


        背面の柄出しがとても綺麗だったので、つい撮影してしまいました。

        中級は基本的はご自分で柄出ししてもらうのですが、どこにどんな柄出しをするかで、その人の考え方や「らしさ」が見えてくるので面白いですね。

         

        縢襠付筥迫のみの参加だったので、巾着はご自宅で事前に作ってお持ちになりました。

        巾着の口は玉縁にして赤をしっかり主張しています。

         

         

        K.Tさんの作品(東京都在住)

        被せと簪挿しで柄合わせを試みたそうですが、残念ながらズレてしまいました(でも何となく合わそうとしているようには見える)。

        中級の筥迫では事前作業で簪挿しを作ってきていただくので、この時点で柄合わせをするのはちょっと難しい。

         

        教本では型紙の段階で柄合わせをしていますが、実際には使う布の厚みが違うので絶対に合うわけではありません。

        (貼り方が少しでも狂えば、そこでも柄が合わなくなりますし)

        今回の講座では、どんな柄でも合わせられるやり方をしているので、そのやり方で再度簪挿しだけ作り直してみればぴったり合うと思いますので、是非試してみてください。

         

         

        はぐれ猫さんの作品(東京都在住)

        こちらは三段口扇襠筥迫ですが、初期の頃の型紙を使われているので、現在のものより横幅が狭い。

        この頃は、飾り房を取り付ける「ち」の位置も背側に付けて被せの前に垂らすという作り方でした。

        その後、鏡前の方に付いたり、今では折り掛けの位置に付いたりで、色々と試行錯誤があったなぁと懐かしく思いました。

        (ちの位置はどこでもお好きなところにどうぞ)

         

        更にははぐれ猫さんのアイデアで、鏡面が引き出し口になっていたり、三段口扇襠筥迫に玉縁が付いたりしています。

        (今回は巾着と飾り房を受講されています)

         

        装身具を研究されているはぐれ猫さんの作品なのに、撮影するときに持参されたびら簪を付けるのを忘れてしまいました。

        (ホントごめんなさい、、、)。

         

         

        Y.Tさんの作品(大阪府在住)

        柄出しのバランスがとても良いですね。

         

        こちらもご自分が持参された田楽型のびら簪をお使いになりました。

        平打ち部分がちょっと細身タイプのものなので、これぐらいなら年配の人でも使えそうです。

         

        今回使われた打ち紐は「煎茶」という色です。

        あまり出ない色なのですが、けっこう合わせやすい色だなと感じました(私も使ったことがなかった、、、)。

         

        房糸は同色の煎茶を持って行ったつもりが、これは「榛色(はしばみいろ)」でした、、、。

        煎茶に切り房糸がなかったので、実際には「手縫糸」で揃えています。

        微妙に色味が違うとはいえ、なぜかこの筥迫にはこの組み合わせが絶妙に思えます。

         

        緒締め玉はショップでは扱っていないものですが、マットなゴールド色がこれまた素敵なので、いつか出してみようかしらん。

         

         

        H.Sさんの作品(東京都在住)

        お花などの形が曖昧なものは柄合わせが楽ですが、青海波のように文様のラインをしっかり出す必要のあるものはシビアな柄合わせが要求されます。

        それにしてはしっかりと柄合わせできてお見事。

         

        「鹿の子も柄合わせしますか?」(H.Sさん)

        「いや、いや、そこまでしなくても」(Rom筥)

         

        と言ったのに、何気に合っているところが恐ろしい、、、(汗)。

         

         

        M.Tさんの作品(神奈川県在住)

        こちらは「巾着と飾り房」を受講されたので、筥迫は三段口です。

         

        懐中袋物は着物あっての装身具ということで、着物を着て受講される方が少なくありません。

        私にとっては目の保養です。

        今回はM.Tさんの他にも、K.Tさんが浴衣を着ての参加でした(早々に帰られたので残念ながら作品画像がありません)。

         

        そして〜!

         

        見よ、実際に装着したこのお姿を!

         

        真夏に着物というだけでもすごいのですが、丸髷に懐中物が相まって、まるで自分が違う時代にワープしてしまったような錯覚に陥ります。

         

        そして後ろ姿。

         

        びっくりの「まるまげキット」をお使いとのことです。

         

        この髪型にするために一年かけて髪を伸ばされたそうで(現在肩より少し長い程度)、慣れれば2〜30分程度でこの形ができるのだそうですよ。

         

        丸髷を結っていた時代の人に教えてあげたい。

        髪結いの亭主は家を追い出されることでしょうが(笑)。

         

         

        今回の講習会で一番の盛り上がりネタでした。

         

         

         

         

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        【2018.08.21 Tuesday 11:09】 author : Rom筥
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        式部型小物入と講習会のスケジュール変更
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          今月の講習会の紹介をするつもりでしたが、8月20日に申し込みが始まる式部型の詳細を出していなかったこと、また今後の講習会スケジュールの変更があるため、今回はお知らせ優先にさせていただきます。

           

          こちらは御所解きの裂に刺繍をあしらったものです。

          去年の刺繍教室の作品展のため、私が刺繍したものなのでちょっと残念なレベルですが、式部型の画像がこれしかないのであしからず。

          画像では大きく見えるようですが、手のひらに乗るような小さな小物入れです。

           

           

          まずは講習会の変更のお知らせです。

           

          今年の講習会スケジュールで予定されていた

           

          11月(金封袱紗、三段口扇襠筥迫、筥迫装飾)

          12月(四ツ襠紙入、式部型小物入)

           

          は、「中止」とさせていただきます。

           

          予定されていた皆様、本当に申し訳ありません。

           

          11月、12月は別のスケジュールになりますので、後日決まり次第お知らせいたします。

          10月の予定までは通常通り開催されます。
           

           

          それから9月19日開催の『式部型小物入』の詳細を出していなかったのでアップしました。

           

          こちらの詳細を出していなかったのは、「対象者レベル」を結局去年と同じにするかどうかに悩んでいたからです。

           

          筥迫工房の講習会は、全ての講座で「どうやったら全員が時間内に確実に完成できるか」が最大の問題です。

           

          これは最も手間のかかる型ですが、中級を経た人であれば作れるレベルではあると思います。

           

          しかしながら、「慣れ」とは別に、「作業速度」は非常に個人差があるので、今回のように工程の多い型になると終了時間を想定することがとても難しくなります。

           

          対象が「縢襠付筥迫を余裕で作れるレベルの人」というのはあくまで自己申告でしかないので、終了時間を「17時〜19時(午後7時)」と幅を持たせることでとりあえずの解決を図りました。

           

          結局そこか、と思われるかもしれませんが、遠方から参加される方も多く、指定でチケットを買われている方にとって、終了時間を示すことは大事なので、どうかご了承いただきたくお願い申し上げます。

           

          しかし上級の型が増えれば増えるほど同じ問題にはぶつかるので、何か別のやり方を考えなければなと考えてはいます。

           

           

          もう一つの変化

           

          11月、12月の予定を中止(組み直し)にした理由は、別の講習会会場を11月から使えるようになったからで、こちらではお針子会とは違うやり方をしたいと考えています。

           

          現在会場として使わせていただいている「お針子会」は、講習会会場としてとても使い勝手は良いのですが、いかんせん和裁教室や刺繍教室で使われていない日だけを使わせていただいているため、どうしても「単独講習」にせざるを得ません。

           

          「単独講習」には1日で絶対に完成させる!というのが最大の利点ですが、今回の型のようなものにはその良さが難しさにもなります。

           

          そんなわけで、前々から考えていた「連続講習」を開催することになりました。

           

          連続講習の良さは何より「自分のペース」で作れることです。

          そのかわり、単独講習なら1日で作れるものを何日もかかって作ることになるので、遠方の方にはまず利点がないのですが、お針子会を会場とした単独講習も並行して続けていくつもりなのでご安心ください。


          新しい会場では、4名程度の小規模なやり方から無理なく始めようと思っていますし、ある程度の道具類は常備して貸し出しできるようになるとは思います。

           

          そして、全員が違う作業をすることになるので、単独講習のように効率的には進みませんが、楽しみながら「ゆるく」作業したい人には最適ではないかと思っています。

           

           

           

          いづこも同じ状況でしょうが

           

          実は講習会のやり方を変えるに至ったもう一つの理由があります。

           

          私ごとで大変恐縮ですが、最近、実父の介護のレベルが一気に進んだことにより、講習会で丸二日潰してしまうことや、単独講習だけで一年の予定をまとめて出すというような講習会を続けていくことが難しい状況になってきたということがあります。

           

          区切りよく来年からと思っていたのですが、父の状況が急激に変化していること、新しいお教室のお話が同時期に進んできたことなどから、早々に進めた方がいいだろうと考えました。

           

          準備や他の調整などを考えて、9月中には詳細を決めて本年度11月の開始を目標に考えていきます。

           

           

          色々と状況が変わって皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、できるだけ皆様の要望に添えるよう、そして自分にも無理がないやり方で続けていきたいと思っておりますので、何卒ご了承いただきたくお願い申し上げます。

           

           

           

           

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          【2018.08.15 Wednesday 10:17】 author : Rom筥
          | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          鏑木清方と筥迫
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            今回は、以前からブログで取り上げたいと思っていた「鏑木清方(かぶらききよかた)」について書きたいと思います。

             

            さじき(昭和20年頃)

             

            鏑木清方(1878年〜1972年)は、明治から昭和期を生きた画家で、伊東深水、上村松園と並ぶ三大美人画家として有名です。

             

            なぜ清方なのかと言いますと、とにかくこの人の絵の中には「筥迫」がよく出て来るからですね。

             

            私が一番初めに清方の絵に興味を持ったのは、上の「さじき」という作品で、少女の胸元に覗く赤い懐中物がとても印象的でした。

             

            モデルの時代背景が明治頃とすれば、びら簪が付いていないので筥迫ではない。

            三ツ巻きの紙入れが箱型なところが、衣装づけとして少々意図ありげです。

             

            同じ美人画家でも、伊東深水と上村松園の作品で明らかな懐中物を探したのですが見つからず。

             

            浮世絵でリアルな筥迫はよく時々見かけますが、日本画でここまで精密に筥迫のディテールを描いている作家はあまりいません。

             

            花見幕(1938年)  

             

            いやん、田楽型のびら簪♡

             

            江戸時代の筥迫は「簪挿し」はないので、筥迫から完全に飛び出るように挿します。

            だからすごくびら簪が目立ちます。

             

            清方の作品の中の懐中物は、人物設定によって使い分けをされているので、そんなところを見るのも懐中物好きにはたまらん楽しみです。

             

            今回、初めと終わりの画像を除いて、あえて懐中付近のみ切り取って引用的に掲載させていただいています。(全体をそのまま使うのもはばかられるので、、)

            ご興味のある方はそれぞれの全体像を探してみてください。

            とても美しい作品です。

             

             

             

            清方の父親は毎日新聞の創始者の一人で、ジャーナリストでありながら作家としても活躍した人物だそうです。

             

            清方自身も小説家を目指すものの、父からは画家としての道を勧められ、17歳の頃から当時父が経営していた「やまと新聞」で「挿絵」を描き始めます。

             

            美人画でありながら、細密な描写で風俗を描いた画家と言われたのは、文芸に寄り添った挿絵画家という道が出発点だったからなのでしょう。

             

            春宵(江戸中期の御殿女中)  

             

            この作品では「落とし巾着」を出していますが、江戸時代の人は中に入れています。

            なぜならこの時代の筥迫は大きく、中に物を入れて半壊中すれば簡単に落ちてしまうので、ストッパーとしての落としは必須でした。

             

            維新以降の筥迫は、江戸から30年ぐらいのブランクを経た後に復活しているので、その時点でかなりサイズも小さくなっていましたし(絵の中の筥迫も実際の江戸型よりかなり小さい)、すでに落とし巾着の意味もわからなかったようで、明治頃の写真には巾着を出しているものをよく見かけます。

             

            巾着を出していいとか悪いとかの議論は昔からありますが、筥迫がより小さくなり江戸の物より落ちにくくなっているとは思いますので、着物を着慣れている人の動き方であれば落とさないかもしれません。

            私としてはせっかく作った筥迫を落としたくないので、巾着は帯に入れることをお勧めはしますが、「入れないのは間違い!」とまでは言わなくていいんじゃないかと思っています。

             

            御殿女中は「びら簪」も付けていないで、時代考証という意味では曖昧だったかもしれませんが、筥迫の襠は本来の「箱襠」で描かれているので、やはり江戸時代の筥迫を描こうとした意図は大いに感じられます。

             

            びら簪を横挿しにして、重さで下がっているのもやけにリアルです。

             

             

            衣装づけ

             

            「近代日本の身装文化(高橋晴子著)」の「明治中期の新聞小説挿絵」について書かれた箇所から引用させていただきます。

             

            新聞小説挿絵の身装についての指示性は、端的にいえばキャプションつきの絵ということだが、その時代の小説作家たち一般の、登場人物の身装記述の熱心さによって、その重みを倍増している。

             

            こうして衣装づけは、本格的な長編小説の女主人公にもなると、一段の行数の4分の1にも達することがめずらしくない。

             

            ここでいう「衣装づけ」とは、その人自身を明確に表現する着こなしのような感覚だとは思いますが、毎日違う服を着ることが当たり前になっている現代人と、江戸、明治、大正時代の衣装付けでは、その感覚というか重みが全く違います。


            花ざかり

             

            この手に隠れるように描かれている筥迫が、ことさらその物を主張しているところがにくい。

            (でもびら簪の挿し位置は近代風)

             

            この時代のひとがそれほどまでに衣装づけに執着した理由のひとつは、現代とくらべると、着衣、髪型による人間の類型化、すなわち枠付けに、かなりの妥当性があったためだろう。

            やや突飛な事例だが、新聞紙面の片隅に散見する行き倒れのひと、自殺者など、すべて身元不明の記事には「商人体の男、、、」等とあって、ときにはふんどしの色までのくわしい衣装づけのあることがふつうだった。

            ひとが身につけるものに対するつよい執心は、この時代、衣類の資産価値がまだまだ高かったため、という理由も考えられる。

            人並みの暮らしをしている勤め人や、小商人の家庭では(も)、もっている衣類の種類も数も現代とくらべるとはるかに少なかった。

            一枚の着物を繰り回すことは、美徳というよりも必要からだった。

            気に入った普段着は、縞模様がまるでその人そのものにみえるくらい、ひざがぬけるまで着ることもめずらしくはなかった。

             

            夏の武家屋敷(1957年)

             

            こちらはただの紙挟みのようですが、耳かき付きの簪を挿しています。

             

            例えば明治・大正期の作家であると、第二章3で述べたように、作中の人物についてはふつう詳細に衣装づけするものだったから、その方面の知識も趣味も豊かで、遺された関連文章がわずかであっても、傾聴すべき事実は多々ふくまれている。

            作家としてはとくに身装関連の文章を多く書いているのは、長谷川時雨、平山蘆江、与謝野晶子、宇野千代、森田たま等である。

            作家以外では、新派の河流章太郎、画壇では洋画家の木村荘八、そしてとりわけ鏑木清方だろう。

             

             

            これは清方の「魔風恋風(明治36年)」の中の挿絵ですが、縢襠の筥迫(もしくは紙入れ?)、懐中時計、半襟に止めている小さなブローチ。

            これは作者が文中で衣装づけしたものを清方が忠実に再現しているのかもしれませんが、もしかしたら文中に衣装づけはなく、登場人物の立ち振る舞いから清方自身がコテっこての衣装づけをしている可能性もありますね。

             

            この時代の懐中物は、その人物を衣装づけするには持ってこいの小道具だと思います。

             

             

            先日の講習会で清方の話が出たのですが、その時参加していたはぐれ猫さん(装身具を研究している方)曰く、装身具好きから見た清方の作品で一番のオススメはこちらの「嫁ぐ人」だそうです。

             

             

            小道具使いで萌え感満載の清方の作品は、現代なら立派なオタク作品になっただろうと考えると、上村松園の美人画も大変惹かれるのですが、やはり私は清方の美人画に軍配を上げてしまいます。

             

            ちなみに、私は清方の作品ではバイオリンを弾く女性を描いた「秋宵(しゅうしょう)」が好きです。

             

             

            清方の作品が見られるのがこちらです。

            鎌倉市鏑木清方記念美術館

             

             

             

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            【2018.08.10 Friday 11:58】 author : Rom筥
            | 絵の中の嚢物 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            これしか入らない「ザ・懐中物」!
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              私自身の今年の変化といえば、新規さんからの仕立ての依頼を請けないことにしたぐらいなのですが、そのためにできた時間で新しい型を試作する機会が増えたり(公開はしていませんが)、今までできなかった調べ物などにあてる時間が増えてきました。

               

              私としては新しい型を試作しているときが一番楽しいのですが、時間をかけて出来上がったその型をどう活かそうかと考えたとき、即、講習会につなげられれば楽なのですが、そう簡単にいくものばかりではない。

              自分がいいと思っても、それが人に受け入れられるかどうかは別問題です。

               

               

              型が増えてくるということ

               

              型がいくら増えようとも、私の活動において「筥迫」というものが屋台骨となっていることに変わりはありません。

               

              講習会に来る方々も「筥迫が作れるようになりたい♡」と思って始める人がほとんどです。

               

              仕立ての依頼も刺繍を施した筥迫がほとんどですし、やはり女持ちの嚢物の中では萌え感満載のトップオブ懐中物です。

               

               

              しかしながら、筥迫のように実質「半壊中」にせざるを得ないものを別にすれば、お財布も兼ねる紙入れは、スられたり落としたりしないよう「全懐中」が基本です。

              (女性は少しは出るかもしれませんが、男性の着物では半壊中する方が難しい)

               

              紙入れの表向きは、細工を凝らした花鎖や小さな前金具はあるものの非常にシンプル。

              内面は「二見形」「吉原形」「香車形」だの、型によってそれぞれに名称がつくほど、実に多種多様な仕立てがあります。

               

              これは江戸〜明治初期頃までの傾向で、「手提げ」という外向きの文化が受け入れられると同時に内向きな紙入れ文化は消滅し、外向きな装飾具である筥迫だけが現代に生き残ってきたというワケです。

               

               

              ということで、型が増えるということは、講習会でこの外向き傾向の嚢物と内向き傾向の嚢物が存在してくることになります。

               

              見た目に可愛い「細工系」は、細かいだけで技巧は少ないいので受講者が集めやすい。

              かたや内面重視の「紙入れ系」は、技術的には難しいのに見た目がワンパターンなので受講者が集めにくい。

               

              このように同じ懐中物でも立ち位置が全く違うので、講習会の中で一緒くたに企画するのは非常に悩むことになります。

               

               

               

              ハイテク筆箱

               

              そんな時、ふと思い出したのが、小学校の頃に流行ったハイテク筆箱(多機能筆箱)。

               

              ロケット発射台のようにポップアップする鉛筆立て、あらゆるところに文具が収められる多機能性にワクワクした覚えがあります。

               

              なぜ急に思い出したか?

               

              これって江戸時代の多機能紙入れにすごくコンセプトが似ている!!

              江戸時代の人が見たら絶対喜ぶはず!

               

              内向き文化が消えてしまったと思いきや、日本人のDNAの中に連綿と受け継がれていたのですね。

              (江戸時代の人はストラップも好きだったしねぇ)

               

              小学生の頃流行った“ハイテク筆箱”がめちゃくちゃ進化してる!

               

              ↑こちらでは、ボールペンとかマジックとか入れられるように作って欲しいとありますが、それは至って既製品的な考え方。

              これは単一形状の鉛筆でこそできるギミックなのだよ。

               

              戦後の大消費時代は既製品にまみれていくので、多様な体型の人に合う洋服、多様なニーズに合うような入れ物が作られると、やはり独創的な意匠からは離れていきます。

               

              時代劇に出てくる市井の人々は、ただの袋状のものにお金を入れて三つ折りにし、紐でぐるぐる巻いたものを懐中していますが、こういうものこそ何でもごっちゃに入れられるし何にでも使える既製品。

               

              (これを三徳という人がいますが、広義では間違っていないものの、私的には気持ち的にちょっと割り切れない。これについてはまた後日。)

               

               

              江戸時代の紙入れの中には、多いものだと15もの「口(ポケット)」が付いていた物もあったらしく、それでも懐中できるサイズになっているということは、入れるものに合わせたサイズにきっちり作られているからこそ可能なのであって、そこに多様性はない。

              つまり、指定の物以外一切入らない!ということです。

               

              現代のように物に溢れていないので、決まった七つ道具だけで何でもまかなえちゃうという背景もあるでしょうが。

               

              江戸時代の大店の旦那が、ハイテク筆箱を懐中しているところをイメージしてもらえばよいかと(笑)。

              これを帛地で、それも工芸レベルで作っちゃうのだから凄すぎる。

               

               

              外見に可愛い細工系は女の喜ぶ世界。

              中身のシステムに凝るのは男の喜ぶ世界。

               

              現代の着物男子にこのような懐中物に興味を持っていただけると、私が一人楽しんで作っているような多機能懐中物を喜んで作ってもらえるのではないのか?と淡い期待を抱いております。

               

               

               

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              【2018.07.27 Friday 12:43】 author : Rom筥
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