『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
2018.3 講習会『鏡付脂取紙入』
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    今月の講習会は『鏡付脂取紙入』でした。

    この講座は去年は1回きりの開催だったので、ほぼ1年ぶり。

    都合が悪くて出られなかった!との声が多かったので、今年は2回組み込んでいます。

     

    N.Nさんの作品(東京都在住)

    講習会で作られている嚢物は、昔からあった型、昔の型を現代流にrom筥がアレンジしたもの、rom筥が考案した型など様々です。

     

    この型は「あぶらとり紙」を日本固有の嚢物的な考え方で作ってみたい!と考えて製図したものです。

    昔の人がこんな型を使っていたわけではありませんのであしからず。

    昔の紙入れにこのようなプルポップ(引き出し口から一枚取ると一枚出る)的な使い方はありません。

     

    A.Hさんの作品(石川県在住)

    紙入れに入れる紙は「畳紙」「帖紙」(たたみがみ・たとうし)といいます。

    その昔は丸薬や石筆をその紙に入れて携帯したので、畳紙を入れる袋に一緒に入れて携帯するという発想はごく自然なことです。

    「紙入れ」なのに紙以外の物がシステマチックに入っているというのはそういう経緯だったかもしれませんね。

     

    J.Yさんの作品(神奈川県在住)

    紙入れのその前の呼び方は「鼻紙入れ」です。

    この紙で鼻をかんだり、綴じてメモにしたりマルチに使いました

     

    しかしながら、この時代の紙は貴重品なので、庶民が気軽に紙で鼻をかんだとも思えませんが、さすがに脂取り紙はなかったでしょう(金箔を打つときに挟む箔打紙を転用したものなので、存在自体はあったかもしれませんが)。

     

    紙を折りたたんで交互に重ねて紙入れに入れる場合は、プルポップのような重ね方で、5枚一組にして入れたと文献にあります。

     

    郁駒屋さんの作品(福岡県在住)

    この型は入門コースの金封袱紗を受講した後に、初級コースの三種の型から受講を選択できるのですが、そのうちの一つです。

    中級に進むには最低1講座、初級コースを受講しなければなりません。

    以前は中級コースに入れていたのですが、型としてあまり難しくないことから現在は初級コースになっています。

     

    E.Tさんの作品(東京都在住)

    しかしながら中級コース向きに作っていた資料をそのまま用いたので、初級者が行うには面倒な工程が残っていました。

    作り変える時間がなかったので資料のままの技法で行いましたが、初級コースにはちょっと難しかったようなので(ごめんなさい)、次回技法部分だけ作り直します。

     

    H.Sさんの作品(神奈川県在住)

    型としては難しくないので、この講座を取りこぼしていた経験者にとってはこれといって難しくない型だったと思います。

    基本的には同コースの念珠や携帯裁縫より簡単なのではないかと思うので、どうぞお気軽にご参加いただければと思います。

     

    H.Tさんの作品(神奈川県在住)

     

     

    貼り込みは「糊」を知ること

     

    講習会に参加される方で

    「縫うのは苦手なので糊で作れるならと思って」

    といって来られる方は少なくありません。

     

    確かに貼り込みで使う「でんぷん糊」は、皆さん幼稚園の頃から使っているでしょうから最も身近な接着剤ですね。

     

    しかしながら、一般の人がこれまで使ってきたでんぷん糊の使い方と真逆な考え方をするので、まずはこれを理解させることに一苦労。(貼り込みの基本を記した「副読本」では、講習会での使い方は解説していませんのであしからず)

     

    以前は「これはこんな感じで〜」と実践で事細かに見せてきましたが、やはりすぐには受け入れられないようで。

     

    どうやったらわかってもらえるのだろう?毎回そんなことに悩んで、最近は「初心者は理屈で教える」ことを徹底しています。

     

    自分自身は感覚的にやっていることですが、それをあえて理屈付けするのはけっこう難儀しました。

    しかし、今となってはより自分でも納得して実践できるようになったので、人に理解してもらうための勉強というのはものすごく自分の役に立つ。

     

     

    この型は比較的部品も少なく時間的に楽なので、今回は小さな懐中物の柄の選び方、柄取りの考え方なども説明してみました(いつもはそんなヒマはない)。

     

    とはいえ、初心者(とりあえず入門を経た程度)にとっては、布の話を聞きながら、糊の使い方に注意を払いながら、型の作り方や技法を詰め込まれるので、さすがにアップアップだったようです。

     

    いや、ごめんなさい。

    ついサービスのつもりがサービスになっていない(苦笑)。

     

    次からは心して初級コースに適した教え方をします。

     

     

     

    貼り込みに必要な物(笑)。

     

    今回の講習会に参加された方(母)の笑い話から。

     

    息子「どこ行くの?」

     

    母 「はりこみに行ってくる」

     

    息子「牛乳とアンパン持っていかなくちゃ!」

     

    うまい!

     

     

    講習会の「申し込み画面」にたどり着くまでがわかりづらいようなので、ブログから近日申し込みの講座へ直接リンクできるようにしました。

    ご希望の方は、申込日になりましたら以下バナーよりリンク先へ移動ください。

     

    ======================

    4月開催の講習会

    ======================

    ※以下のテキストから直接申し込み画面にリンクできます。

     ただし、申し込み画面が表示されるのは、申込日の

     朝6:00からです。定員に達すると画面は表示され

     ません。

     

    4月7日(土)

    入門コース:◎2 金封袱紗(懐紙挟み)

    (申込開始:3月6日 6:00〜)

     

    4月8日(日)

    中級コース:☆☆6 三段口扇襠筥迫

    (申込開始:3月12日 6:00〜)

     

    4月30日(月祝)

    ☆☆5 雅型裁縫用具入(中止になりました)

     


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    【2018.03.05 Monday 22:41】 author : Rom筥
    | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    筥迫工房 オフ会
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      遅くなりましたが、筥迫工房「オフ会」のお誘いを申し上げます。

       

      いつも筥迫工房のブログを見てくださっている皆様は、筥迫に魅せられた言わば同好の士。

       

      いつだったか「たるしるみちる」の柾女さんに、筥迫工房の講習会に来るような人たちは「ベクトルが同じ」と言われました。

       

      確かに多種多様な趣向をお持ちの方が多いのですが、その方向性や熱量、好奇心に共通性が有り、知らない世界の話題にどんどん喰らいついて盛り上がるというのがお決まりです。

      とは言っても講習会後で皆さん疲れ切っているため、話し足りない感があるのが常。

       

      そこで来月の3月21日(祝・水)の研究会の後に場を移して、たまにはゆっくり食事やお酒を飲みながらおしゃべりできる時間をもてられと思っております。

       

      初めての方も大歓迎です(ここから繋がる縁もある)。

      刺繍筥迫研究会にご参加の皆様も、お疲れでなければ是非ご参加ください。

       

      ================

      筥迫工房 オフ会

      ================

      日 :2018年3月21日(祝・水)

      時間:17:30〜(2時間程度)

      場所:(東京)池袋駅 東口方面

      会費:4,500円程度

      申込締切:3月9日

      申込先:筥迫工房(直接メールか、以下お問い合わせへ)

       

      ちょっと間際になってしまったので早めの申込締切で申し訳ありませんが、参加人数がそれほど多くなければ、その後でも追加変更ができる可能性はありますので、とりあえずご連絡いただければと思います。


       


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      【2018.02.28 Wednesday 10:19】 author : Rom筥
      | 雑記 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      中山きよみ+13 江戸型筥迫『忍吹枝(しのぶえ)』
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        今回は久々に中山きよみ+13のコレクションを掲載させていただこうと中山先生のブログにお邪魔すると、綺麗な刺繍裂の画像がたくさん掲載されていました。(中山先生がんばっている!)

         

        これは江戸型筥迫の開き扉タイプのものです。

         

        何度も言っていますが、「江戸型筥迫」というのは私が便宜的につけた名称です。

        明治維新を境に、筥迫は大きさや形が全く違うからです。

         

        現代でこんな型を作っても、まず着物の襟元に入れる人はいない(ぐらい大きい)。

         

        被せ、胴締め(前)は無論のこと、被せ下、背面、側面まで同じ熱量で刺繍が施されています。

        前だか背だかわからないぐらい刺繍で埋め尽くすのが江戸型の特徴です。

        (たぶん帯一本分ぐらいの刺繍量はあると思う)

         

        筥迫の不思議な意匠に複雑な中の仕組み。

        大奥の女性たちが心ときめかせた絢爛豪華な装身具、それが(江戸型)筥迫です。

         

         

        2016年10月に金沢で行われた『飾り筥展』(中山きよみ+13)では、筥迫工房にお仕立てのご依頼をいただきました。

         

        これらの作品群は、中山きよみ先生のブログ『日本刺繍 nui.nui』に掲載されておりますので、是非こちらでオリジナル画像をご堪能ください(こちらのブログへの使用は許可いただいております)。

         

        筥迫工房にお仕立てをいただいたものは、自分自身の記録として全ての画像を保管していますが、今後は著作を持っている方のブログへリンクするような形で掲載させていただこうと思います。

         

         

        画像の取り扱い

         

        画像についているコピーライト(Ⓒ)は著作を示すマークです。

        実際にはコピーライトがなくても全ての画像に著作権はあるのですが、ネット上の画像なんて簡単にコピーできるので、「これには著作権があるんですよ!」とか「画像を無断使用しないでね!」と著作者がはっきり主張しているものだとお考えください。

         

         

        仕立てについて

         

        『飾り筥展』では、よくもこんなにたくさん筥迫を作ったものだと改めて思いますが、今現在、同じことをしようと思っても、仕立てのための時間を作ることが難しい状況になっているので不可能でしょう。

         

        これまでは、型の研究、教本(資料・型紙)作り、それに伴う材料の販売(ネットショップ)、講習会、そして仕立ての受注など、全て同時にこなすことが出来る程度にささやかな活動でした。

         

        しかしながら、ここ数年で全ての活動が急激に広がり出し、一人でこなせる範囲を超えるようになってしまいました。

        現在は周りの人の手を借りながらなんとか必死に毎日を送っていますが、時間的にできないことも多く出てきました。

         

        筥迫仕立の需要はほとんどが刺繍裂なのですが、通常の仕立てより専門的な技術が必要となります。

        新しいことを生み出しながら、ネットショップの仕入れや受注作業をしながら、片手間に扱えるようなものではありません。

         

        そこで、今年から当分の間、新規のお客様からの「お仕立ての依頼」はお断りすることにいたしました。

         

        しかし、ほぼ絶滅した技術を一からコツコツと積み上げてきたので、できれば次の時代も続く文化であってほしい。

        それには自分だけが技術を持っていてもしかたない。

         

        今後は自分以外でも専門的な仕立てができる職人さんを、時間をかけて育てていきたいと考えています。

         

        そして、遠方の人が東京まで講習会に来なくてもいいように、貼り込みの嚢物ができる講師も育てていければと思っています。

         

         


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        【2018.02.25 Sunday 22:52】 author : Rom筥
        | 中山13コレクション | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        疲れる1週間
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          今週は何か画像をアップしようかと思っていたのですが、色々と雑念入りすぎて作者に対して失礼になりそうなので、雑記のみにさせていただきます。

           

          今週は色々と忙しい一週間でした。

          日本全国的に、そして個人的にも。

           

           

          羽生と藤井と資料と父と

           

          何と言っても最初は羽生選手の金メダルでしょう。

           

          私ごとですが6年前に腹膜炎で手術をしまして、体調が戻るまでしばしショップも筥迫活動も休業していた時期がありました。

          その時にちょうどフィギュアのグランプリシリーズをやっていて、病み上がりで羽生選手の活躍をひたすら追っていたことを思い出します。

           

          16歳か17歳そこらでここまで盛り上がってしまうと、この後は下り坂なのかもしれない、今この時をしっかり目に焼き付けておかねば!などと真剣に思っていたのですが、現実はとんでもない未来がありましたね。

           

          同日には藤井くんが朝日杯で優勝。

          メディアは優勝すれば最年少記録などと煽っていましたが、そんな漫画のような都合のいい展開を中学生に期待するなんてかわいそう!と思っていたのに、こちらもあり得ない展開に顎が外れそうでした。

           

          個人的には父の入院がありバタバタしていたのですが、翌日に病院からの呼び出しにより急遽退院(そんな〜)。

          一週間の入院予定だったのでヘルパーさんの都合もつかず、病院通い+実家通いでまともに仕事もできない毎日でした。

           

          羽生くんの試合はショートもフリーもリアルタイムで見られず、家人からメールで結果を知らされ出先で安堵。

           

          当日帰宅すると、ポストには来月研究会のために必要だった資料の本が届いている。

           

          さて、羽生の動画を見るか、藤井の動画を見るか、資料を読み込むか、う〜ん究極の選択。

           

          と思っていると、またしても父から「転んだ」との呼び出し、、沈

           

          羽生より、藤井より、資料より、最優先は父の救出となりました。

           

          転ぶと一人では立ち上がれないので、今週は何度実家までの道のりを往復したことか。

          まぁ高齢の親を抱えた年代の人はいずこも同じ状況でしょうが。

           

          時間があればあったらで動画もループで見続けてしまうだろうし、一週間できなかった仕事も溜まっている。

           

          こんなときこそ、ちと冷静になれと神様に言われているようでもない。

           

           

           

          本を読むのも土台が必要

           

          今回入手した資料は、今私が問題にしていることにピンポイントで答えを出してくれるような内容のものでした。

           

          しかしながら、初めに本を開いた瞬間に「うわっ、これ読めるのかなぁ、、、」と躊躇するような文体。

          あとがきに博士論文に加筆したと書いてあるのを見て納得。

           

          眉をひそめながら読み進んだのですが、気がつけば本の中は線と付箋だらけになっていました。

           

          以前の自分なら絶対に敬遠しそうな本ですが、今自分の強い興味の答えがこの本にあると思うと、人間の脳というのは思いの外すんなりと受け入れてしまうようで、読み始めれば文体も次第と慣れてくるもの。

           

          専門的な言葉使いでさえ、そのモノに対する知識の土台さえあればけっこう柔軟に対応できる。

          これは旧漢字、古い言い回しだらけの大正時代の嚢物の本と同じこと。

           

          結構知らないうちに色々なことを積み重ねてきたのかもしれないなとしみじみと思いました。

           

           

          ところで、今回買ったこの資料は古本として買ったのですが、前の持ち主が引いた線をところどころ見かけました。

           

          私は自分の資料として保存しようと決めると、かなり派手に線を引いてしまう方なのですが、自分が引いた線とその人が引いた線が微妙に違っていたりすると、この人は一体何をしている人なんだろう、何を目的にこの本を買ったのだろうと想像を巡らしながら読むのも古本を読む楽しさかなと思います。

           

           


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          【2018.02.19 Monday 16:31】 author : Rom筥
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          2018.2 講習会『念珠入(組入)名刺入』
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            2月の講習会は『念珠入(組入)名刺入』でした。

            この講座だけは年3回あります。

            そのぐらい基本中の基本というべき懐中物です。

             

            R.Sさんの作品(東京都在住)

             

            M.Kさんの作品(イギリス在住)

            N.Nさんの作品(東京都在住)

            薄手の帯地を使った作品です。

            薄手とはいっても、このサイズの嚢物を作るときは厚手扱いです。

            初心者レベルの人には、初めて型を作る大変さに加えて、布扱いの難儀がプラスされるのであまりお勧めはしませんが、いかんせん講座のサンプル画像に憧れてくる人が多いので、このような生地を選びたくなる気持ちはわかります。

            確かに厚手の生地で作ると仕上がりがとても立派なので、とりあえず現段階では念珠入れに限っては可にしていますが、厚手生地には相応の扱いというものがありますので、そのうち厚手生地を専門に使うような 講座を企画しようと思っています。

             

            K.Nさんの作品(兵庫県在住)

             

            E.Tさんの作品(東京都在住)

            念珠入れは単純な型の嚢物なので初級コースですが、現代の日本人が忘れ去ってしまった精密な貼り込みの技法で作ります。

            去年からのステップアップ講座に移行してからは、糊の扱い方を徹底的に教え込んでいるので、5時に終わる頃には皆さんぐったりしています(笑)。

            この型の技法は二段階方式で完結します。

            念珠入れが基本にして、四ツ襠紙入で更に上の技法を学びます。

            四ツ襠を受講したい方は、しっかり念珠入れを復習してから来てくださいね。

             

            H.Sさんの作品(神奈川県在住)

             

            K.Oさんの作品(神奈川県在住)

             

             

             

            『縢襠付筥迫』講習会

             

            講習会でよく縢襠付筥迫の話が出るので、最近の傾向などお話ししたいと思います。

             

            講習会を受講される方々のほとんどは、縢襠付筥迫に憧れて参加されるようです。

            (きっかけは筥迫でも、結局は貼り込みの楽しさに目覚めて他の講座を制覇する人が多いのですが)

             

            傾向としては、純粋に筥迫というものを作ってみたいという方、教本を見て一人で筥迫を作る自信がないので受講したという方に分かれると思います。

             

            ショップで販売している教本は、人生で一度の筥迫を作ることを目的とした婚礼や成人式、七五三が対象です。

            初めてでもぶっつけ本番で作る人がほとんど。

             

            それを考慮して、扱いやすい材料を選んだり、作り方を変えたりしています。

            ハレの日のためだけに筥迫が必要な方には、あまり問題はない違いと思います。

             

            かたや講習会の筥迫は、去年から最低3講座は出て初めて受講できる中級コースの内容に変更しています。

            こちらはより本格的な筥迫作りを目指しているので、教本とは根本的に考え方が異なります。

             

            一昨年までの「作品を作るための講習会」から「作り方を学ぶための講習会」へ方向転換しているので、「筥迫作りの救済」という目的には合わないかもしれません。

             

             

            教本を見て作る自信をなくしたという方も多いのですが、貼り込みの考え方は現代人にはちょっと馴染みのないものなので、頭で一生懸命理解しようとするとよけいにこんがらがって怖気付いてしまうのでしょう。

             

            こういうものはあまり頭で理解しようとせず、とにかく一つづつコマを追うことです。

             

            それでも理解する自信がない場合は、入門コースの金封袱紗に出て貼り込みの基礎だけ習ってみるというのも手です。

             

            基本的な考え方だけでもわかると、意外とすんなり教本に入っていけるかもしれません。

             

            中級の縢襠付筥迫は、教本よりずっと手間をかけた本格的な作り方をしますし、最近は「柄合わせ」の生地を持ってくるという指示があるので、以前のように自分の好きな生地で作ることができない。

             

            柄合わせができる生地というのは、連続プリントのある「小紋」のようなものになってしまい、結局筥迫に合いそうな派手な生地のものには連続プリントのものが少ない。

            結局、自分の作りたいものは講習会では作れないということになります。

             

            ですから、教本を見て一人で作る自信がないから受講したという方には、そこまでお金を費やして筥迫を作るのはもったい気がします。

             

            装飾裂以外の規制の裂で筥迫を作るとき、一番難しいのは効果的な「柄出し」です。

            どこにどのような柄を持っていくるかで、筥迫の出来が全く変わってしまうので。

             

            初心者には筥迫作りより、実はこれが一番ハードルが高いのではないかと思っています。

             

            そこで提案なのですが、どの講習会でもいいので、そこに目当ての布を持ってきていただければ、講習終了後に柄出しして差し上げます。

            あとはご自宅で教本を見ながら自作する。

             

            それなら筥迫以外の余計な講習にお金を使うこともなく、また先生から「こんないい加減な作り方じゃダメ!」なんてうるさいことを言われずにすみます(笑)。

             

            ただし、別の講座で筥迫用の柄出しを希望する場合は、必ず講習会前日までに「縢襠付筥迫用の型」をもってきてほしいと連絡ください。

            柄出しは「型」がなければ正確な印を付けることができないのでご注意を。

             

            入門コースの「金封袱紗」は、最近は申込日以降もけっこう席が空いているようになりました。

            新しい方には、以前より申込やすくなっていると思います。

             

             


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            【2018.02.13 Tuesday 22:52】 author : Rom筥
            | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            キーワード:我国固有の趣味
            0

              「袋物」というと、現代では園児が使うような巾着や、小学生のサイドバッグのような「柔らかい布地の手提げ袋」というイメージがあります。

               

              しかしその昔は、主に帛(布)と革で作られた「物を入れる(カバーする)」ような物は全て「袋物」でした。

               

              その中でも、茶道の「仕覆(しふく)」は今も昔もそのまま袋物というイメージですが、筥迫が袋物というと現代人にはちょっとイメージが結びつかない。

               

              筥迫工房の講習会ではまだそれほど複雑な型は作っていませんが、最近はこれらの袋物を熱心に作り込み、上達する人が増えてきました。

              このような人たちがいるうちに、徐々にでもかつての手提げ文化に入る前のあの複雑な型を作っていきたい。

               

              そうなると、現代人のイメージする袋物とどうしても区別したくなるのですが、やはり「嚢物(ふくろもの)」で書いた方が区別しやすい。

               

              漢検準一級で出てくる漢字なので、私も書けません(苦笑)。

              でもこのブログを見ているような皆さんは、ぜひ見た目で覚えていてくださいね。

               

               

               

              我が国固有の趣味

               

              筥迫というものは、現代人にはやたらと不思議な形に思えます。

               

              しかし袋物を取り巻く日本文化や筥迫の沿革を辿ってみると、実は成るべくして成ったという型のように思えます。

               

              筥迫は非常に日本的というか日本趣味なものです。

              (これらの成り立ちはブログでは書きにくいので、対面で話せる研究会のような場を借りてお話したいと思います。)

               

              筥迫と同じような時代に作られた袋物というのは、現代ではほとんど作られておりません。

               

              生活様式が変わったから、という言葉で片付けてしまうには実に惜しい、日本文化だからこそ生み出されたというような型がたくさんありました。

               

              その時代に書かれた袋物の本の中に、こんなキーワードがあります。

               

              紙入れが時勢と風俗につれて変換し内知人に洋服を着する者が多くなり(中略)同時に洋服用の紙入といふものが製出されたのでありました。(中略)

              形状や、材料や、意匠等によって、之れを三種に分類することが出来ます。

              それは我国固有の趣味に依って造りましたものと、欧米風を模倣したものと、和洋折衷して造りましたものと此三種類あります。(日本嚢物史:井戸文人 大正8年)

               

              其れらの技芸の中には、海外の趣味より来たものが有る様ですが、ここの私の説きます処の、袋物は、我国固有の趣味より生まれて発達致しましたもの故

              他の趣味に超越して其の型最も曲雅の風致あるもので在ります。

              (新型袋物拵へ方:藤井茂太郎 大正14年)

               

              西洋の手提バッグ文化が怒涛のように押し寄せた明治・大正期は、袋物業界は否が応でも一大転機を迫られました。

              それでも何とか西洋趣味を取り入れようとする姿勢が、当時の嚢物から感じ取ることができます。

               

              その当時の西洋趣味は、現代の私たちの目からすればどっぷり日本趣味ですが(笑)。

              それらの西洋趣味をすっかり取り除いたものが我が国固有の趣味。

               

              現代では、和柄を使った袋物を「和風」ということはあっても、「我が国固有の趣味」というほどの特別感は感じられません。

               

              筥迫工房では、この「我が国固有の趣味」を最大限に生かしつつ、ちょっぴり現代感も入れた嚢物を目指したいと思っています。

               

               

               

              日本固有の仕立て方

               

              ショップや教本の序文に「筥迫は和のカルトナージュ」という比喩を使っていますが、最近はこの言葉にやたらと違和感を覚えるようになりました。

               

              私が筥迫作りを始めた当時、ある方に貼り込みの説明をしたところ、「つまり和風のカルトナージュですね」と言われました。

               

              言われてみればそうなのかな?と深く考えずに思い使い始めたのですが、当時は「貼り込みとはなんぞや?」を解くようなレベルではなかったので、手芸的なノリで使っていました。

               

              しかし、その後資料として古い袋物を集め出すようになって、これはただのカルトナージュなどというものではない、ということに気がつき始めましたのですね。

              これはずっとモヤモヤと自分の中でくすぶり続けていました。

               

              古いサンプルを集めて知った「日本固有の趣味」というヤツのこだわり方が尋常ではなかったからですね。

               

              かつて或材料を以って或名工に最上の仕立を依頼しました事がありました。(中略)

              其形状、肉合、手ザハリなどが一点の難もなく、誠に鮮やかに出来て居ります。(中略)綴った痕跡が認められないのでありましたから、其事を質問しますと、全部針を使わないで作り上げたと得意になって居りました。(中略)

              上等品の製作の妙所は此仕立方に限ると申しました(中略)

              名工必ずしも糊張にはしませんが、最上等品に、最巧な技を揮ふのは之を第一とするのであります。

              (日本嚢物史:大正8年)

               

              材料に同じ革を用いましても日本風のものにあつては、その縫方までも日本趣味を応用して居ります。

              (日本嚢物史:井戸文人 大正8年)

               

              ここでは「縫方」とありますが「貼方」も同じようなことがいえます。

               

              作り方さえ日本趣味、というところがいかにもな嚢物ですが、ここにカルトナージュと簡単につなげられない理由があるような気がします。

               

              昔の日本刺繍の筥迫の仕立は、本職の職人さんが作っていたものです。

              現在の筥迫は業者さんが作っています。

              この二つは技術的には雲泥の差があります。

               

              しかしそんな筥迫仕立ての技術を持った職人さんは、昭和50年始め頃にはすでにいなくなっていたようです。

               

              職人さんがいなくなって久しい現代ですが、なんとか私たちの手で、あの時代の筥迫を蘇らせたいと切に願っております。

               

               

               

              ショップ『緒締め玉』入れ替えました

               

               

              「緒締め玉」とは、筥迫の「緒締め」として使われるビーズです。
               

              ショップでこの緒締め玉の種類を入れ替えることは前々から考えていましたが、ビーズは打ち紐と同じぐらい面倒で、今までのびのびにしてきました。

               

              しかし最近、意を決してビーズを入れ替えることにしました。

               

              「丸玉ビーズ」は色を絞りました(全10色)。

              「Aパール」は、前回使っていたパールからもうちょっと質の良いものに入れ替えました(全7色)。

              「ガラスビーズ(大穴)」は、元は大穴ビーズです。これは種類を色数を増やしました(全10色)。

               

              それと一袋単位の個数も6〜10粒にしました。

              値段を上げるよりも、個数を減らすことにしたということでご了承ください。

               

               

               


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              【2018.02.04 Sunday 18:57】 author : Rom筥
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