『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
教本改訂版 進捗状況 モニターレポート
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    筥迫作りに対する疑問点

    モニターさんから、教本の内容について個別に質問もありました。
    教本に載せたほうがよいと思われるものはそのまま反映しましたが、教本の中で初心者に細かく解説しようとするとかなりこんがらがってしまいそうなものはあえて載せていません。

    それでもいくつかは、他の人も同じようなことを感じてきたのかもしれないと思ったので、今回はそれをご紹介したいと思います。


    ・布帛、嚢物とは?

    布帛(ふはく)、嚢物(ふくろもの)と読みます。
    布帛というのは、ニットではない比較的薄手の繊維?を総称した言い方でしょうか。

    嚢物はいわゆる袋物のことですが、現代で袋物というと幼稚園児のお道具を入れる巾着のようなイメージを持たれてしまうのが嫌で、私はあえて旧漢字を使っています。

    その昔は、物を入れる袋は全て嚢物と呼ばれていました。
    嚢物にはもちろん実用品もありましたが、美術館や豪華本に収められるような芸術品も数多くあり、それらには決して「袋物」という言葉は使われません。

    そして身につける袋物は当時のファッションアイコンになくてはならない物であり、こだわりを持って作られたという意味においては現代の筥迫作りにも通じます。
    古い単語というのは忘れ去られる運命にありますが、どこかの世界では意義を持って生き残っていてほしいと思っています。

    詳しくはこちらへ↓
    嚢物とハンドバッグ


    ・長手、短手とは

    長手(ながて)、短手(つまて)と読みます。
    例えば、指矩(曲尺)の長い側は長手(ながて)、短い側は短手(つまて)と呼びます。
    私は一般的な言葉だと思っていたのですが、けっこう知らない人が多いようなので建築用語なのでしょうか、、、?

    短手に関しては、その他の呼び方、書き方もあるようですが、どれも同じ意味です。

    短手(みじかで)
    短手(しのびで)
    妻手(つまて)
    駒手(こまて)

    嚢物では、開く方を口側(くち)、側面を脇側(わき)という言い方をしますが、初心者にはその方がわかりづらいので長手、短手という単語を使っています。


    ・「折り掛け」「巾着の綿詰め」の加減がわからない

    折り掛け(おりかけ)というのは、被せ(蓋)の開閉する部分のことです。
    嚢物の仕上げで最も良し悪しが問われるところです。

    筥迫は部品が細切れになっているのでそれほどでもないのですが、念珠入れのように長い布を巻きつけて作るような型は、この折り掛け部分の処理が難しいのです。
    ゆるすぎず、つまりすぎず、、、。

    いつか念珠入れの教本も出そうとは思いますが、こういうものはどう説明していいかわからないので、たぶんそのときになったら相当悩むと思います。


    巾着の作り方もまた、職人それぞれのこだわりの一つです(巾着師という専門職もいたぐらい)。

    「綿の詰め具合が難しい。あまり詰め過ぎてしまうとタックがなくなってしまうので、手加減がわかりにくいです。」

    そうだろうな〜とモニターさんのレポートを見ながらしみじみと思いました。

    前回の教本では巾着の作り方は至って簡単に解説しておりますが、今回はもう少し踏み込んで解説しています。
    初心者には、やっていることは理解できるが加減がわからないということなのです。

    本当は読む人を迷わせないように単純に書いた方がいいんですよね(そういう意味では前回の教本の作り方の方がよい)。
    それはわかっちゃいるのですが、簡単な作り方で堂々と印刷して販売することに対する拒否感がぬぐえなくなり、それが教本を作り直そうという原動力になっているので、この流れはもう引き返せない。

    要は理想論なんです。
    初心者の人が初めから完璧にできるとも、理解できるとも思っちゃいません。

    改訂版を読むコツは、初心者の方は70%の理解力で作るということです(要は形になればいい)。
    それで満足しきってしまうようなら、そこで筥迫作りは終了。
    感動しまくって、あるいはもっと上手に作りたくなって数を作っていくようになると、教本の内容が少しずつわかっていくようになります。
    更に作り続けていくと、反対に悩むことが日増しに増え続け、負のスパイラルに陥っていく、、、こうなれば一人前です(笑)。


    これらは「加減」の世界ですから、初めからうまくできるわけではない。
    うまくいかなくてもその形で自分が満足できればそれでいいワケですし、満足できず悩み続けるようなことがあれば、講習会なり研究会なりに参加するのも一つの手ではないかと思います。
    (巾着だけでいいなら、研究会に来てくださってもいいです)



    ・はみ出した堅糊の処理の仕方を教えて欲しい

    教本では、堅糊にサイビノールを使っています。
    サイビノールは木工ボンドによく似ていますが、有機溶剤なので木工ボンドより速乾、強粘着です。
    それを活かした使い方をするのですが、これもまた加減の世界なのでなんとも説明しがたい。

    理想的には、堅糊は極力薄く付けたい、けれども剥がれないようにしっかり付けたい。
    しかし薄く付けると、速乾性なのでもたもた作業しているうちに先に付けたところが乾いてしまう。
    これで初心者はつい厚付けになってしまうのです。
    だから堅糊がはみ出す。

    ヘラの使い方、角度などのコツもありますが、これらは慣れ=手際の良さが必要なので、これができれば糊をはみ出すことはなくなります。
    ただし、コツはあくまで私なりのコツであって、こういうものは人に教わるというよりも、とにかくたくさん作って自分なりに習得していくものなのではないかと思います。

    堅糊はとにかくはみださないように塗ること、はみだしてしまったら自分の貼り込みの技術はまだまだなんだなと理解し、「はみだした堅糊」は適当に処理するしかありません(苦笑)。



    ・内側の布あたりが目立つ、コツはあるか?

    「あたり」というのは内布の中に折り込んだ折りしろのことでしょうか?(それだとして、、)

    昔の作り方では「袋取り」というものをしているので「あたり」は目立たないのですが、筥迫工房では現代の接着芯やホットメルト紙を使った作り方をしているので、どうしてもあたりは出てしまいます。

    これを回避するには「袋貼り」というやり方があるのですが、それには厚紙を3種類使い分けなければなりません。
    ただでさえ筥迫は部品が多いので、微妙な厚紙の使い分けは混乱を招くだけ、という理由で教本では使っておりません。
    なのであたりは出てしまうのです。ごめんなさい。

    ちなみに講習会では袋貼りをしています(たぶん参加者は気がついていないと思うけど)。

    しかし、初めて作ってよくそんなことに気がつくな〜と感心。
    うまくなる人は、そういうことによく気がつく人です。



    ・アイロン台の作り方

    副読本の道具の説明で、「アイロン台は自作できます」と書いたところ、モニターさんから「アイロン台の作り方も載せてほしい」と言われました。
    スペースがなかったので簡単な文章だけで済ませましたが、過去記事で詳しく解説していますのでご参照ください。
    手作り ミニアイロン台

    貼り込みは糊を使うので、アイロン台が汚れます。
    私はカバーは頻繁に取り替えたいので、過去記事では「コルクボード」「フェルト」「アイロンカバー」を使っていますが、厚めのコルクボードが売っていない!というご意見を多くいただきました。
    その場合は使い捨てになりますが「段ボール」でも作れます。

    アイロンカバーもこの記事ではクッション付きを使っていますが、ホットメルト紙のような薄い物を貼るのにクッション付きは非常に使いづらいので、今は普通の薄いアイロンカバーをお勧めしています。
    私は頻繁に取り替えたい人なので、最近はただの木綿(シーチング等)を使っているぐらいです。

    三段口や念珠入れの襠物の芯には「アマゾンの段ボール」が薄くてお勧め!と講習会では言っているのですが、アイロン台の段ボールには薄すぎるので、もう少し厚めの段ボールがよいと思います。

    作るのは至って簡単ですが、クッションがきいていると力を入れたときに沈み込んでしまうので、あくまでも固めのアイロン台にするのがコツです。



     

    筥迫工房 9月の講習会

    ❶『懐中裁縫用具入れ』:9月22日(火・祝)
     満席になりました。


    ❷『二つ折小被付筥迫』:9月23日(水・祝)
     一日講習
     対象:縢襠付筥迫、三段口扇襠筥迫の講習会を受講した方

     申し込み開始:8月25日(火)より
     ※一日で作り上げるため、先に型取り
     (型紙をホットメルト等に書き写す)をご自宅で
      してきていただきます。
     ※講習会経験者対象としていますが、上記の事前準備が
      材料などの細かい説明はしないことなどで、
      難度としてはちょっと面倒な作業が多い程度で、
      それほど基本コースと変わりません。

    ※本年度の講習会は9月で終了です。
     個別質問のある方、講習会以外の作業をしたい方は、
     11月の研究会にご参加ください。
     研究会参加は直接お問い合わせください。

     


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    【2015.08.24 Monday 10:45】 author : Rom筥
    | そうだ筥迫を作ろう! | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    手作り ミニアイロン台
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       前回は貼り込みの必需品「アイロン」について書いたので、今回は「アイロン台」について書きます。

      以前は私も一般的な大きさのアイロン台で筥迫を作っていたのですが、筥迫自体は小さく、それほど作業スペースは取りません。
      しかし、作るものは小さくても、筥迫作りは道具も材料も多い!
      机の周りに色々な道具を置くので、アイロン台が大きいとかなり邪魔です。

      そんなことで、始めは小さなアイロン台が売っている所を探していたのですが、実はアイロン台はカンタンに「自作できる」らしく、色々なサイトでレクチャーされていました。

      材料は、
      ベースになるもの
      クッションになるもの
      カバーになるもの

      作り方は、ベースの上にクッション材を乗せ、その上からカバーをかけ、裏に折り込んで処理をする、という極シンプルな作りだったので、迷わず自作することにしました。

      この画像の小サイズと中サイズが自作したアイロン台です。


      大きさを比較するためにホッチキスを置いています。
      一番大きいのが市販されている一般的なサイズ(600×360mm)。
      そして私が初めて作ったのが真ん中のサイズ(400×300mm)で、最近まで使っていたものです。
      アイロン台が小さくなったことで、道具がより近くに置けるようになり、とても使いやすくなりました。
      でも、もっと小さくても良さそうな気がしたので、今回は更に小さいアイロン台を作ってみました。
      それが一番上のサイズ(300×225mm)です。


      <材料と道具>

      ・ベース:コルクボード/450×300×8mm厚
          (ホームセンターで609円)
      ・クッション:大判のフェルト/700×600mm
          (ダイソーで105円)
      ・カバー:アルミコーティングのアイロンカバー(角型)
           /720×485mm(ダイソーで105円)
      ・ホッチキス




      <作り方>

      1)コルクボードを半分にカット(300×225mm)。
      2)フェルトをコルクボードと同じサイズに3枚カットと、
        二廻り大きめ(コルクボードを包めるぐらい)のサイズを
        1枚カット。
      3)アルミコーティングのアイロンカバーを半分にカット。



      画像では、フェルトは2枚になっていますが、実際はボードと同サイズが3枚と、それより二廻り大きめのものが1枚です。
      その理由は、、、。

      前回作った時は、コルクボードの上にフェルト2枚を乗せてちょうどよかったのですが、実は今回それで最後まで作ってみたところ、前回作ったものとなぜか固さが違うことに気がつきました。


      上の画像は前回作ったものなのですが、実はカバー自体に薄いクッション材がついていたので、これにフェルト2枚を重ねてちょうどよかったのです。
      しかし、今回購入したカバーは薄い布だけのものだったので、出来上がりのクッションの堅さに違いがでてしまいました。
      ということで包んだカバーを外し、今度はボードと同サイズのフェルトを3枚重ね、その上からコルクボードより二廻りぐらい大きめのサイズのフェルトで、3枚のフェルトとコルクボードを包むことにしました(ホッチキスで止める)。

      4)フェルトで包んだコルクボードを、今度はアイロンカバーで包んでホッチキスで止めます。





      ホッチキスは180°に開いて、芯が入っている側をカバーにあてて、上から叩いて止め付けます。
      (ちょっとコツがいりますが、何回かやっていくうちにつかめてきます)



      これで出来上がりです。
      所用時間は約15分程度です。


      筥迫作りは「糊」を使うため、カバーが汚れやすく、以前は定期的に市販のアイロン台カバーを付け替えていました。
      しかしこのカバーがけっこう高かったので、かなりギリギリまで使い込んでから付け替えていました。
      今では100円ショップのアイロン台カバーなので(このサイズなら2枚取れるので1枚あたり50円!)、気兼ねなく貼り換えることができます(これは普通の布でもかまいません)。

      私は頻繁に張り替えたいので、裏はホッチキスで止め付けたままにしています。
      ベースがコルクボードなので、カバーの貼り換え時のホッチキス芯も取りやすいです。
      コルクボードは薄いとしなって折れやすそうだったので8mm厚にしましたが、厚みがあるものはサイズも大きめなので、このサイズだと2つできてしまいます。
      大型の100円ショップならコルクボードも置いてあると思いますので、薄いものを何枚か重ねてもよさそうです。

      他のサイトでは、板や段ボールで作っているようなので、頻繁にカバーを張り替える必要がなければかなり安上がりにできるようです。
      その場合は、裏面の処理が隠れるようにフェルトなどでカバーした方がいいでしょうね。

      クッション材は綿のように弾力のあるものではなく、ドミット芯やフェルトなどを重ねて調節した方が使いやすいと思います。

      さっそくこのアイロン台を使って筥迫を作ってみました。
      うん、全く問題なし(カット前の布にアイロンをかけるときだけは大きいサイズを使います)。
      これが今の私の作業場です。とってもコンパクトになりました(以前はこの3倍ぐらいのスペースを使っていました)。


      東京の狭いマンション暮らしでは、筥迫用の作業場など作れるはずもなく、いつもはダイニングテーブルの上で作業しています。
      しかし食事の度に片付け、またセットし直さなければならず、集中が切れてしまうのが悩みの種でした。

      今回、100円ショップで小さなゴミ箱をいくつか買いました。
      これまでは、A4サイズ二段の道具入れから必要なものを取り出して机の上に並べていたのですが、ゴミ箱使用とは別に、これに細々とした道具を縦に入れることで、道具置きのスペースも小さくなりました。
      アイロン台も大きかったので、片付けの度に道具の大移動となり、一回に移動できないので小さな部品がなくなったりと不便な思いをしましたが、今では全てカッター台(A3)の上に収まり、一回の移動ですむので非常に効率がよくなりました。
      でもやはり夢は、筥迫専用の作業部屋が欲しい!です(娘よ早く独立してくれ)。

      ところで、最近買った「裁縫こて」を使っています。
      クロバーのパッチワークアイロン(ベビーアイロン)に比べ、重心の位置が違うのでまだちょっと慣れませんが、それほど使いにくいというワケではないので安心しました。
      温度調節がわかり易く、立ち上がりが早いのが一番の利点です。

      しかしどうしてもパッチワークアイロンに未練があるので、クロバーに意見を送ったところ、先日返信が来ました。

      この度の『パッチワーク用アイロン』
      新製品を販売する件につきましては
      他にも沢山のご要望を頂戴いたしております。
      必ず復活するとのお約束はいたしかねますが、
      商品開発部門に、お客様のお声を強く伝えてまいります。

      とのことでした。
      このアイロンが欲しい方は、クロバーさんに要望を送りましょう(笑)。


      ************************
       ■ 追 記
      ************************

      今回ご紹介したミニアイロン台で「コルクボード」や「アイロンカバー」が手に入らないという声を何件かいただきました。
      これは耐久性のある素材を使っているだけなので、手近なもので作れる簡易のアイロン台もご紹介します。


      .灰襯ボードの替わりに「段ボール」を同サイズにカットした
       ものを「3枚」用意します。

      ▲灰襯ボードと同じサイズの「フェルト」を「3枚」用意し、
       段ボール(3枚)を重ねた上に乗せます。
       ※大判のフェルトは100円ショップで購入できます。

      その上から、「45cm×55cm」程度に裁断した「木綿布」を
       被せ、段ボールとフェルトを包みます。

      の△吠屬靴董¬斂壁曚鬟曠奪船スで止めます。
       (止めるのは両面テープでも接着剤でもOK)

      細工物には、フェルトやドミット芯などをお好みの厚さに重ねて、堅めのクッションにした方が使いやすいと思います。
       
      【2012.07.31 Tuesday 00:19】 author : Rom筥
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